本作のクオリティを決定づけたのは、当代随一のクリエイター陣による緻密な楽曲設計です。作詞を手掛けたのは森雪之丞、作曲は当時「安全地帯」のフロントマンとしてヒットチャートを席巻していた玉置浩二、そして編曲は彼女の全盛期サウンドを支えた武部聡志が担当しました。
当時、ロックバンドのリーダーであり気鋭のメロディメーカーとして脚光を浴びていた玉置浩二を作曲に起用した試みは、アイドル歌謡の歴史において極めて画期的でした。玉置浩二が提示したメロディは、哀愁を帯びた叙情性と歌謡曲のドラマツルギーを併せ持つ複雑なコード進行で構築されており、18歳の新人アイドルには過酷とも言える難易度を誇っていました。
そこに武部聡志のストリングスとシンセサイザーを融合させた緊張感あふれるアレンジ、さらに森雪之丞による文学的で陰影のある詞が融合。「アイドルに歌わせるレベルを超えた本格的なドラマティック・バラード」として結実したのです。