韓国社会では、相手の父親や配偶者の父親に対して直接「アッパ」や「アボジ」と呼ぶことは重大なマナー違反とみなされます。ここで不可欠となるのが、最上級の敬称であるアボニム(아버님)です。
アボニムの語源は「アボジ(아버지)」に、敬意を表す接尾辞「ニム(-님 / 様)」が付加されたものであり、日本語の「お父様」「義父上」に相当します。韓国語の父親敬語表現における主な使用場面は以下の3系統に大別されます。
- 配偶者の実父を呼ぶ場合:結婚後、夫または妻の父親に対して直接呼びかける呼称。
- 他人の父親を敬称する場合:友人や同僚、取引先の父親について言及する際の丁寧表現。
- 実の父親へ極めて改まった手紙や挨拶をする場合:伝統的な行事や公的な文書、手紙の冒頭。
韓国ドラマにおけるパパの呼び方を観察すると、一般的な庶民家庭の日常シーンでは「アッパ」が多用されるのに対し、財閥一族や由緒ある名家を描いた作品では、成人した子女が実の父親に対して「アボジ」や「アボニム」と呼ぶ描写が頻出します。これは登場人物の社会的ステータスや、家庭内の厳格な上下関係を演出するための言語的ギミックとして機能しています。