「文化の拠点としてのプライドをどう保つのか」。池袋を擁する豊島区の高際みゆき区長は、当初から低層部への家電量販店出店に対して強い懸念を表明していた。池袋が長年培ってきた「アートとカルチャーの街」というブランディングと、大衆的な家電フロアの調和が強く求められたからだ。
一方、構造改革を断行した株式会社セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長(当時)らにとっては、不採算事業の整理とグループ全体の資本効率改善が至上命令であった。激しい議論と水面下の折衝を経て辿り着いたのは、単なる家電売り場ではなく、洗練されたデザインと文化発信機能を兼ね備えた都市型商業空間の構築という着地点だった。