なぜ高市早苗氏に「喫煙者」というイメージが一部で定着したのか。その起源を探ると、永田町の長い歴史と彼女自身のタフな政治スタイルに行き着く。昭和から平成初期の国会においては、議員会館や政務次官室での喫煙はごくありふれた日常の光景であった。早朝から深夜まで続く激務をこなす政治家たちの多くが紫煙をくゆらせながら議論を交わしていた時代だ。
しかし、彼女自身が公の場でタバコを吸っている姿が目撃された事実は確認されていない。記者会見やテレビ番組の出演時、あるいは自著の中で彼女が明かしてきたのは、過酷なスケジュールを乗り切るための独自の健康法やストレス解消法である。重厚な声質やハキハキとした口調が、一部の視聴者に「タバコを嗜む人の声」という先入観を与えた可能性も指摘されている。噂は事実の積み重ねではなく、パブリックイメージが生み出した幻影という側面が強い。