物語が始まって間もなく、長男・雨が生まれた直後に訪れる父親の急逝。激しい雨が降る日、花が目を覚ますと部屋に彼の姿はなく、胸騒ぎを覚えた花が街を捜し歩いた末に目撃したのは、増水した川(水路)の底で横たわるオオカミの姿をした彼の遺体でした。
作中では死因が直接言葉で説明されることはありませんが、川底の彼のすぐそばには仕留められた1羽のキジ(鳥)が落ちていました。公式ノベライズ(小説版)や設定資料によれば、彼は子どもを産んで衰弱していた花の身体を気遣い、滋養をつけてもらおうと野生の狩猟本能を呼び覚まして鳥を追ったとされています。
慣れない都会の雨の中で獲物を捕らえたものの、足を滑らせて増水した水路に転落したか、頭部を強打してそのまま溺死してしまったというのが真相です。最愛の家族のために危険を冒して食糧を確保しようとした結果の悲劇であり、人間社会に隠れ住んでいたオオカミとしての本能と家族愛が招いた切ない事故でした。