国際スポーツ大会のスタンドで響き渡る「チャチャチャ、ニッポン!」のコール。なぜ応援では「ニホン」ではなく「ニッポン」が選ばれるのか。スポーツ応援における「ニッポン」の由来には、音響心理学と歴史的な出来事が関係している。
「にっぽん」に含まれる半濁音の「ぽ(Po)」と促音の「っ」は、破裂音として遠くまで音が通りやすく、大観衆が一斉に叫んだ際のリズム感と迫力に優れている。1964年の東京オリンピックの際、国民的な応援の掛け声として「ニッポン」が一気に定着し、現在に至るまで応援の定番として受け継がれている。
一方、地理的な名称における有名な対比が、東西の「日本橋」の使い分けだ。
・東京都中央区の日本橋:「にほんばし」
・大阪市中央区の日本橋:「にっぽんばし」
江戸の日本橋は徳川家康による開府以降、柔らかい江戸言葉の響きとともに「にほんばし」として定着した。対して上方の商業地として栄えた大阪の日本橋は、古代からの力強い発音を残したまま「にっぽんばし」と呼び慣わされてきた。地名ひとつにも東西の文化的な差異が色濃く反映されている。