オーディオマニアにとっても、柳月堂の鑑賞室はまさに憧れの聖域です。部屋の最前列に鎮座する巨大なスピーカーシステムは、アメリカ・JBL社製の最高峰ヴィンテージユニット群で構成されています。
弦楽器の繊細な擦過音から、オーケストラが炸裂するトゥッティ(総奏)の重低音まで、歪みなく空間を満たすダイナミックレンジは圧巻の一言です。現代のイヤホンや小型スピーカーでは決して再現できない「音の粒子が肌を撫でるような感覚」を味わえます。
壁面を埋め尽くすレコードライブラリには、創業以来収集されてきた数千枚におよぶクラシックLPレコードやCDが整然と保管されています。針を落とした瞬間の微かなスクラッチノイズとともに立ち上がる瑞々しい音色は、半世紀以上もの間、京都の知識人や芸術家たちの感性を刺激し続けてきた歴史そのものです。