水族館における展示環境やパフォーマンスにおいても、シャチとイルカには明確な差異が存在します。特に水族館での飼育とショーの違いは、動物福祉や施設規模の面からも近年大きな進化を遂げています。
イルカショーの魅力は、スピーディな遊泳力と機敏なアクロバットジャンプ、複数頭による一糸乱れぬシンクロナイズド演技にあります。全国各地の水族館で飼育されており、比較的小回りの利くプールでもその高い運動性能を存分に発揮します。
対照的に、シャチのパフォーマンスは圧倒的なパワーとスケール感が真骨頂です。体重数トンの巨体が宙を舞い、着水とともに客席へ豪快な水しぶき(スプラッシュ)を浴びせる演出は、シャチならではの迫力です。トレーナーとの間に築かれた絶対的な信頼関係に基づき、息を合わせた水中パフォーマンスが展開されます。
しかし、シャチの飼育には膨大な水量と水深を備えた超巨大メインプールや高度な生命維持システムが不可欠であり、国内でシャチのダイナミックな姿を観覧できる施設は極めて限られています。千葉県の「鴨川シーワールド」、愛知県の「名古屋港水族館」、そして兵庫県で大規模リニューアルを果たした「神戸須磨シーワールド」など、限られた拠点でのみ体感できる貴重な展示となっています。