ブッダが実在の人物であったことは歴史学的に確実視されていますが、具体的に「紀元前何年に生まれたのか」という生年月日については、現在も世界の仏教学者や歴史学者の間で議論が続いています。
主な学説には以下のような諸説が存在します。
・南方伝承説(スリランカ等): 紀元前624年誕生・紀元前544年入滅
・北方伝承説(衆聖点記など): 紀元前560年代誕生・紀元前480年代入滅
・近現代の文献・歴史学説: 紀元前5世紀後半〜紀元前4世紀初頭(中村元博士らの研究では紀元前463年〜383年頃など)
近年では、ルンビニのマヤ堂(マーヤー・デーヴィー寺院)地下の発掘調査により、紀元前6世紀に遡る木造構造物の痕跡が確認されるなど、考古学的アプローチからの検証も進展しています。確定的な年月日の特定には至っていないものの、文献批判と出土史料の分析によって、紀元前5世紀前後の激動の古代インドを生きた思想家としての輪郭がより鮮明に浮かび上がっています。