角野栄子の名前を世界に知らしめた金字塔が、1985年に刊行された『魔女の宅急便』だ。13歳の小魔女キキが新しい街で自立していく姿を描いたこの物語は、宮崎駿監督率いるスタジオジブリによってアニメーション映画化され、世代を超えて愛される不朽の名作となった。
黒いワンピースに大きな赤いリボンというキキのシンプルな装いは、彼女自身のファッション哲学とも強く響き合っている。無駄を削ぎ落としたスタイルの中に、ひとすじの強い自我と情熱を込める。スクリーンの中で風を切って飛ぶキキの姿には、作者である角野自身の自由な精神が色濃く投影されていた。