思考実験の場は宇宙だけにとどまらない。コンピューター上のシミュレーションや、合成生物学によって生み出される人工生命(ALife)の台頭も、従来の定義に新たな揺さぶりをかけている。
コード上で自律的に発生し、環境に適応しながら変異・増殖を繰り返すアルゴリズムは、まさに自己複製と進化の条件を満たす。もし自らエネルギーを調達してシステムを維持するAIが現れたとき、私たちはそれを「物質ではない生命」と呼ぶのだろうか。
ハードウェアという肉体を持たずとも、自律性と自己複製を備えた情報構造体としての生命。そのような新しいパラダイムが現実味を帯び始めている。