人々に「お金=悪」という印象を強烈に植え付けた背景には、現実に存在する一部の不正や強欲の事例が大きく影響している。アカデミー賞受賞監督のアレックス・ギブニーが制作を手掛け、動画配信大手のNetflixで世界的大ヒットを記録した調査ドキュメンタリー作品『ダーティ・マネー』は、まさにその現実を容赦なく暴露した傑作だ。
同ドキュメンタリーは、企業の倫理破綻や株価操作、顧客を裏切る強欲なビジネスモデルを克明に追及している。利益至上主義に走った一部の企業が引き起こす醜聞は、一般市民に強烈な不信感を与えた。金融業界全体が「目的のためには手段を選ばない冷酷な世界」として描かれることで、視聴者の心には「莫大なお金を集める行為そのものが汚い」という印象が強固に刷り込まれることとなった。