和月伸宏氏は新潟県出身。1987年に「ティーチャー・ポン」で手塚賞スマイル賞を受賞し、漫画家としての第一歩を踏み出した。その後、複数のアシスタント経験を経て、1994年に『週刊少年ジャンプ』にて代表作『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚』の連載を開始。幕末の動乱を生き抜いた「人斬り抜刀斎」が、新時代・明治で弱き人々を守るために逆刃刀を振るうという斬新な構想は、瞬く間に読者の心を掴んだ。
当時、友情・努力・勝利を王道とする少年漫画の枠組みにおいて、歴史や時代劇をテーマにした作品は大ヒットしにくいというジンクスが存在していた。しかし和月氏は、西洋の価値観が流れ込む激動の明治初期という時代背景を巧みに描き出し、日本漫画産業における歴史アクションというジャンルの新たな可能性を劇的に押し広げたのである。