溶連菌による皮膚症状は、麻疹(はしか)、風疹、突発性発疹、あるいは一般的なあせもやアレルギー性皮膚炎と混同されがちです。しかし、視覚と触覚のポイントを押さえることで、写真と見比べなくてもその判別は格段に容易になります。
第一の特徴は、発疹の「感触」です。猩紅熱の発疹の特徴として、皮膚一面に針先ほどの細かな赤い丘疹が密生し、手で触れると「紙やすり(サンドペーパー)」や「鳥肌」のようなザラザラとした独特の摩擦感を覚えます。首筋や胸元から始まり、急速に顔面、脇の下、肘の内側、太ももの付け根といった間擦部(皮膚が擦れ合う部位)へと広がっていくのが典型的なパターンです。
第二の決定的な兆候が、口腔粘膜に現れる「いちご舌」です。発症初期(1〜2日目)は舌の表面が白黄色の苔(舌苔)で覆われますが、3〜4日目になるとこの白苔が剥がれ落ち、充血して鮮紅色に腫れ上がった舌乳頭が粒状に突起します。その外見が完熟したいちごの表面に酷似していることからこの名が付けられており、溶連菌感染症を裏付ける非常に精度の高い身体所見です。
また、溶連菌の発疹に伴うかゆみについては個人差が大きいものの、およそ半数以上の患者が「チクチクするようなかゆみ」や「皮膚が突っ張る熱感」を訴えます。アトピー性皮膚炎のような激しい掻痒感とは異なり、熱感が引くにつれて痒みも自然と落ち着くケースが一般的ですが、小児の場合は掻きむしりによる二次的な細菌感染(とびひなど)を防ぐための配慮が求められます。