2010年代半ば、地方の一ローカルアイドルグループに所属していた少女のライブ写真が、瞬く間に掲示板やSNSを駆け巡った。プロの写真家がスタジオで照明を計算し尽くして撮影したグラビアではない。屋外ステージの激しいダンスの最中、偶然の風と光が織りなした一瞬。それがすべての始まりだった。
当時のネットコミュニティは、どこか手探りの熱気に満ちていた。ユーザー自身が「まだ誰も知らない原石を発見した」という当事者意識を持ち、自発的に拡散したことが、爆発的なバズの原動力となった。この成功体験こそが、その後の日本のエンタメ業界における「ブレイクの法則」を根本から塗り替えたのだ。