剪除法(皮弁法)は、脇のしわに沿って切開を入れ、皮膚を翻転させて執刀医が直視下でアポクリン腺をハサミで切り取っていく保険適用の標準的術式だ。長年にわたり確実性の高い治療とされてきたが、医師の技術的習得度に依存する部分が極めて大きい。この技術格差を解消し安全性を底上げするために立ち上がった「剪除法皮弁法プロジェクト」では、切開線の取り方や皮下血流の保持に関する詳細なガイドライン化が進められている。
しかし、直視下での手術であっても、執刀医が未熟であれば皮膚を極限まで薄く削ぎすぎ、血流障害による広範囲の瘢痕(はんこん)形成や引きつれを引き起こす。あるいは逆に、汗腺の取り残しによって臭いが再発するという「不完全な結果」を招く。メスを入れる切開手術には、常にこうした不可逆的な肉体的リスクがつきまとう。