近年、テレビ番組やSNSでの拡散が相次ぎ、その人気は留まることを知らない。週末ともなれば、開店からわずか短時間で完売の看板が出されることも珍しくない。
「機械化すればもっと作れるのでは?」という声は絶えない。実際、大手流通チェーンやデパ地下からの出展オファーは後を絶たないという。しかし、工房側は頑なにその提案を断り続けている。
「手で巻くからこそ、あの絶妙なふんわり感が生まれるんです。機械で強く締め付けたら、きゅうりの食感も米のつぶ立ちも全部潰れてしまう。量を追うために味を落とすくらいなら、ここで届く範囲だけで作り続けたい」
現場のこだわりは徹底している。現在では、遠方からの来訪者が無駄足にならないよう、事前電話予約や一部オンライン発券システムの導入など工夫を重ねているが、本質的な「手作業の限界」という価値を最優先に守り抜いている。