亜鉛の難点は、腸管での自然吸収率が約10〜30%と非常に低い点にあります。食事からいくら摂取しても、食べ合わせ次第で吸収効率が大きく左右されます。
吸収率をブーストさせるカギとなるのが「ビタミンC」と「クエン酸」です。これらは亜鉛を包み込んで吸収しやすい形に変える「キレート作用」を持ちます。生牡蠣にレモンを絞る定番の食べ方や、赤身肉のステーキにブロッコリーを添える組み合わせは、栄養学的に極めて理にかなった黄金コンビです。
一方で注意が必要なのが、穀類の外皮や未発酵の大豆製品に多く含まれる「フィチン酸」や、コーヒー・濃いお茶に含まれる「タンニン」、そして過剰な「食物繊維・カルシウム」です。これらは亜鉛と結合して不溶性の化合物を形成し、体外へ排出させてしまいます。玄米食を徹底している方や完全菜食主義(ヴィーガン)の方は、植物性食材のフィチン酸によって亜鉛の生体利用効率が落ちやすいため、より意識的な摂取設計が求められます。