福士蒼汰の芸能界入りは2010年、雑誌のストリートスナップ写真を見た所属事務所(研音)からのスカウトがきっかけでした。2011年1月期ドラマ『美咲ナンバーワン!!』で俳優デビューを果たしたわずか数カ月後、約3000人規模のオーディションを勝ち抜き、『仮面ライダーフォーゼ』の主演・如月弦太朗役に大抜擢されます。当時の福士蒼汰は演技未経験に等しく、まさに原石の状態でした。
メガホンを取った坂本浩一監督やチーフプロデューサーの塚田英明氏は、オーディション当時を振り返るインタビュー等で「圧倒的な透明感の中に、誰とでも友だちになれる弦太朗特有の包容力と愛嬌を感じた」と証言しています。劇作家・中島かずき氏が手掛けた脚本は、従来のミステリアスなヒーロー像とは一線を画す「学園青春ドラマ×特撮SF」というハイテンションな世界観でした。これに対し、福士蒼汰は等身大の情熱を全力でぶつけ、視聴者のみならず制作陣の信頼を急速に勝ち取っていきました。
特撮現場ならではの1年間にわたる長期撮影、アフレコ(声の吹き替え)、過酷なワイヤーアクションや素面(変身前)アクションの経験は、俳優としての基礎体力を極限まで鍛え上げるブートキャンプとなりました。この過酷な1年間を完走したことこそが、福士蒼汰が「若手イケメン俳優」の枠組みにとどまらず、息の長い実力派へと成長する強固なバックボーンとなったのです。