ここでメディアやSNS上でしばしば見落とされる重要な盲点があります。それは、「セパレート型を全廃して全員タイツを着せるべきだ」という極端な強制論もまた、アスリートファーストに反するという事実です。
現場で戦うトップアスリートの中には、「骨格や走法の関係上、脚の付け根に1ミリも布が触れてほしくない」「真夏の35度を超える酷暑レースでは、セパレート型でなければ熱中症のリスクが跳ね上がる」と証言する選手も確実に存在します。過去のレースで実績を残してきた選手ほど、自らの皮膚感覚に合わせたギア選択に強いこだわりを持っています。
問題の本質は「露出の有無」ではなく、「選手が望まない露出を強制されていた構造」と「卑劣な盗撮行為そのもの」にあります。ウェアを覆い隠すことだけを正義とする短絡的な規制は、選手の自己決定権を奪う別の抑圧になりかねません。自由な選択肢が担保された上で、どのウェアを着ても安全が守られる競技環境の構築こそが本質です。