赤酢ブームが加熱する裏で、知っておくべき落とし穴や誤解も存在する。
誤解①:「赤酢を使っていれば無条件で高級・美味しい寿司である」
赤酢は魔法の調味料ではない。熟成香が強い分、魚の鮮度や仕込みの技術(締め、寝かせ、煮方)が追いついていないと、シャリの主張だけが空回りして全体のバランスが崩壊する。中には安価な醸造酢に着色料を混ぜただけの粗悪な製品を使う店舗も極稀に存在するため、職人の確かな技術と本物の醸造粕酢を使っているかどうかの見極めが不可欠だ。
誤解②:「赤酢寿司は白身魚や貝類に絶対合わない」
かつては「赤身魚専用」と語られることもあったが、これは過去の固定観念に過ぎない。現在は魚体を数日間寝かせてアミノ酸を極限まで引き出す「熟成白身」の技術が進化したことで、赤酢の旨味と熟成白身の濃厚な旨味が美しく調和するペアリングが確立されている。