クラフトバターや古代小麦の産地指定が当たり前となった2026年のペストリー界では、両者の古典的定義を再解釈する動きが加速している。発酵バターを極限まで焦がしたダークマドレーヌや、米粉と抹茶で軽やかさを追求したライトフィナンシェなど、境界線をあえてクロスオーバーさせるパティシエが続出している。
飲み物との組み合わせも、かつてのセオリーを塗り替えつつある。柑橘の抜け感を持つ軽やかなマドレーヌには、エチオピア産浅煎りコーヒーのフルーティーな酸味がピタリと寄り添う。対して、濃厚な旨味を抱くフィナンシェには、スモーキーなウイスキーや深煎りのエスプレッソ、あるいは熟成されたほうじ茶のタンニンが絶妙なカウンターパンチとなる。