このバスツアーが伝説となった最大の要因は、ツアー前日のタイミングで投下されたニュースの破壊力にありました。2007年7月6日夕刻、報道各社へ向けてモーニング娘。元リーダー・飯田圭織さんの結婚発表、ならびに妊娠10週目であるという前日妊娠発表のプレスリリースが一斉に発信されたのです。お相手は、同じハロー!プロジェクトのプロデューサーつんく♂氏の教え子にあたるロックバンド「7HOUSE」の元ボーカル・ケンジ氏でした。
問題となったのは、その翌朝7月7日午前、すでに数百名規模の熱狂的なファンが参加を申し込んでいたファンクラブ限定バスツアー「飯田圭織・前田有紀の"大人の七夕祭り"日帰りバス旅行」の出発が控えていた点です。参加費は約19,000円。前夜の発表を受け、キャンセル手続きを取る時間的猶予は事実上残されていませんでした。
当時、東京駅周辺に集結したファンの間には、通常のアイドルイベントに満ちている高揚感とは正反対の、重苦しく張り詰めた空気が漂っていました。長年単推しとして応援し続けてきたトップアイドルの結婚と妊娠という事実を未消化のまま、ファンたちは山梨県・清里方面へと向かうバスへ乗り込むことを余儀なくされたのです。