一般的なきつねうどんといえば、出汁を張ったうどんの上に甘辛く煮た油揚げが乗っている姿を思い浮かべるはずです。しかし、麺闘庵が世に送り出した「巾着きつね」はその常識を鮮やかに覆しました。大判の上質な油揚げを袋状に開き、その中に茹でたてのうどんを丸ごと一玉詰め、口を一本の青ネギでキュッと結び、特製の上品な関西風出汁に浸して提供されます。
店主が開発当時に語った「人をあっと驚かせ、心から喜んでもらえるうどんを作りたい」という探求心から生まれたこの一杯は、単なる奇をてらったビジュアルグルメではありません。お揚げの袋の中で蒸された状態になる麺は、出汁の風味を芯まで吸い込みつつ、もっちりとした独特の弾力を維持します。お箸でお揚げをそっと破ると、閉じ込められていた出汁の芳醇な湯気とうどんが一気に溢れ出し、五感を心地よく刺激します。
『秘密のケンミンSHOW』や『ヒルナンデス!』をはじめとする数々のテレビ番組でも幾度となく紹介され、メディア露出をきっかけに爆発的な知名度を獲得しました。しかし、一過性のブームに終わらず名実ともに奈良を代表する名物うどんとして定着した背景には、出汁・お揚げ・麺のそれぞれが織りなす極めて精緻な味の調和があります。