ネット上の言説では「怒り顔に見える人は普段から不満を溜め込んでいる」「性格が顔に出ている」といった安易な人格批判が散見されます。しかし、認知心理学および神経科学の研究において、この言説は明確に否定されています。
【誤解の真相:投射バイアスと進化心理学】
人間には、太古の過酷な環境を生き抜くために「相手が攻撃してくる可能性(怒り)」を実際よりも過大に見積もる生存本能(エラー管理理論)が備わっています。つまり、相手が中立の真顔であっても、受け手側の脳内警報が勝手に作動して「怒っている」と解釈してしまうのです。問題は表情の持ち主の性格ではなく、人間という種が持つ過剰な危機察知センサーにあります。
また、心理的境界線(バウンダリー)が曖昧な人ほど、他人の真顔に対して「自分が何か怒らせるようなことをしたのではないか」と過剰反応する傾向があります。怒ってる顔と誤解された側が過度に自己嫌悪に陥る必要は一切ありません。