ネット上の情報空間には、本作のリリース形態やアルバム収録をめぐっていくつかの誤解や見落としが存在します。第一に「CM用の30秒バージョンしか存在しないのでは」という推測ですが、これは完全な誤りです。
竹内まりや版「ウイスキーが、お好きでしょ」は、CM放映後の爆発的なリクエストに応える形でフルサイズが録音され、2010年11月3日に通算39枚目のシングルとして正式リリースされました。シングル盤にはCMで流れた軽快なオーガニック・バージョンに加え、名匠・服部克久がストリングスアレンジを手掛けた壮大な「オーケストラ・バージョン」も収録され、杉真理と服部克久という原曲の創造主ふたりが再集結した奇跡のパッケージとなっています。
さらに見落とされがちなのが、オリジナルアルバムへの定着です。本作はシングル発売から約4年後の2014年に発表された竹内まりやのオリジナルアルバム『TRAD』に堂々の8曲目として収録されました。『TRAD』はオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得し、彼女にとって「1970年代、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代の5世代すべてでアルバム1位を獲得」という日本ポップス史上初の金字塔を打ち立てた歴史的名盤です。
音源のストリーミング配信に関しては、山下達郎・竹内まりや夫妻のカタログ管理方針に基づき、サブスクリプション型サービスでの配信解禁状況が長らく話題となってきました。しかし、iTunes StoreやAmazonデジタルミュージック等での個別ダウンロード配信、ならびにCDパッケージやアナログ盤リイシューを通じて、ハイレゾ音源を含む高音質なマスターが現在もリスナーの手元に届けられています。