検索窓に学校名を入力すると候補に現れる「学歴にならない」「意味ない」というネガティブワード。こうした言説が生まれる背景には、日本の高等教育システムとグロービスが持つ独自の教育モデルに対する誤解が存在します。
制度上の事実として、グロービス経営大学院は学校教育法第99条に基づく文部科学省認可の正規専門職大学院です。修了時には正式な学位である「経営修士(専門職)」、いわゆる国内MBAが授与されます。履歴書の学歴欄にも正式な大学院修了として記載可能であり、「非認可の私塾だから学歴にならない」という言説は明確な事実誤認です。
では、なぜそのような批判が一部で根強く囁かれるのか。取材班の分析によると、主な要因は以下の3点に集約されます。
第一に、学術研究型大学院(アカデミックスクール)との設計思想の違いです。東京大学や一橋大学などの伝統的な国立大学院が論文執筆や理論構築を重視するのに対し、創業者である堀義人氏が率いるグロービスは、徹底した「実務への即応性」を掲げています。修士論文の提出を必須とせず、ケースメソッドを中心としたディスカッションと実践的なビジネスプラン策定を軸としているため、学術界や旧来のアカデミズムを重んじる層から「研究実績としての学歴ではない」とみなされるケースがあります。
第二に、国際認証(AACSB、AMBA、EQUISなど)の有無です。グロービスは海外の特定トリプルクラウン認証の取得よりも独自の教育展開を優先してきた経緯があり、欧米トップ校や外資系投資銀行・戦略ファームの一部グローバル採用枠において、海外トップスクールと同列には評価されない場面が稀に生じます。
第三に、「意味ない」と感じる層のミスマッチです。資格を取得すれば自動的に昇進・昇給が約束されるという他力本願な姿勢で入学した場合、実践の場でアウトプットを出せなければMBAホルダーとしての市場価値は高まりません。「学んだフレームワークを現場で使い倒し、自ら成果を掴み取る」という覚悟がない受講生にとって、数百万円の投資が無駄に感じられてしまう構造が浮き彫りになっています。