野毛本通りを抜けて大岡川沿いに出ると、緩やかなカーブを描く2階建ての長屋建築が視界に飛び込んできます。1964年の東京オリンピック開催に伴う都市整備の一環として誕生した都橋商店街(通称:ハーモニカ横丁)です。
わずか数坪の小規模な区画に、約60軒もの飲食店やスナック、バーがぎっしりと並ぶ景観は、建築遺産としても極めて高い価値を有しています。川沿いに連なるネオンが水面に揺れる様は、映画のワンシーンを思わせる情緒を醸し出しています。
都橋商店街のバーは、一見すると扉が閉ざされており敷居が高く感じられるかもしれませんが、基本的なマナーさえ守れば温かく迎え入れてくれます。本格的なウイスキーを揃えるオーセンティックバーから、レコードの音色に浸れるミュージックバー、クラフトジンに特化した個性派店まで、マスターの美学が凝縮された小宇宙が広がっています。席数が5〜6席程度の店が多いため、大人数での入店は避け、1〜2名で静かにグラスを傾けるのがスマートな楽しみ方です。