海水塩分濃度はなぜ約3.5%?死海・日本近海の違いと起源を徹底解説

海水塩分濃度はなぜ約3.5%?死海・日本近海の違いと起源を徹底解説

海水塩分濃度はなぜ約3.5%?死海・日本近海の違いと起源を徹底解説についての疑問解決ガイドをご紹介します。

科学研究の現場から水産養殖、さらには海水魚飼育(マリンアクアリウム)の現場に至るまで、塩分濃度はどのように測定・計算されているのでしょうか。

まず基礎となる海水塩分濃度の計算方法ですが、古くは海水1kg中に含まれる全塩類グラム数を示す「パーミル(‰、千分率)」や重量%(g/100g)が用いられていました。しかし現代の海洋物理学では、水温と圧力(水深)の影響を補正し、標準塩化カリウム溶液との電気伝導度比から算出する「実用塩分単位(PSU:Practical Salinity Unit)」が国際標準(PSS-78)として定着しています(PSUは無次元量ですが、数値としては従来の35‰とほぼ一致します)。

一方、実務現場や趣味の現場では、用途に応じて様々な塩分濃度計とボーメ度が使い分けられています。

・屈折式塩分濃度計(光学式/デジタル):
光が液体を通る際の屈折率が塩分濃度(密度)によって変化する原理を利用。数滴の海水を垂らすだけで即座に測定可能。水産現場やアクアリウムで最も広く普及しています。

・電気伝導度計(ECメーター / TDSメーター):
水中のイオンが電気を通す性質を利用。高精度なデジタル測定が可能ですが、水温変化に敏感なため自動温度補償(ATC)機能が必須となります。

・浮標型比重計(ハイドロメーター)とボーメ度(°Bé):
液体の比重(浮力)を目盛りの浮き沈みで読み取る古典的器具。塩田での製塩現場や食品加工では、古くから重ボーメ度(日本農林規格などでも使用)が親しまれてきました。

現場の実態として、愛好家や養殖現場のSNS・コミュニティで頻繁に報告されるトラブルが「水温による比重のズレ」です。比重は水温が上がると水が膨張して低下します。同じ塩分濃度3.5%であっても、水温15℃の海水と25℃の海水では比重計の数値が大きく異なります。「比重計では適正値に見えていたのに、水温補正を怠っていたため生体に浸透圧ショックを与えてしまった」という失敗談は後を絶ちません。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。