ネット上には「PDFはドラッグ&ドロップだけで完璧に統合できる」といった簡略化された情報が散見されますが、これはビジネスの実務においては重大なリスクを孕んでいます。
最大の盲点は、オブジェクト埋め込みによってWordファイル内に元PDFがまるごと内包され、意図しない機密情報まで相手に渡ってしまう点です。たとえば、複数ページあるPDFの1ページ目だけをトリミングして見せているつもりでも、受信者がオブジェクトをダブルクリックして抽出すると、隠れていた2ページ目以降の社外秘データまで閲覧できてしまう危険性があります。
また、共同作業における「相手の閲覧環境に対する配慮」の欠如もトラブルの温床です。リンク貼り付けを行った文書を社外へメール送信した場合、相手側のパソコンにはリンク先の元ファイルが存在しないため、「リンクされた画像を表示できません」というエラー表示になり、信頼低下を招くケースが目立ちます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
文書の作成目的や共有形態に応じた最適な判断基準は以下の通りです。
【画像化またはWord変換での貼り付けをおすすめするケース】
・顧客への提出見積書、役員報告資料、印刷を前提とする公式文書を作成する人
・OS環境(Mac / Windows)が混在するチームでやり取りを行う人
・レイアウトや文字の視認性を1ミリも崩したくない厳密なドキュメントを扱う人
【アイコン埋め込みやリンク貼り付けを慎重に扱うべきケース】
・社外の取引先にWordファイルのまま納品・送付する予定がある人(リンク切れ・情報漏洩リスク)
・スマートフォンのOfficeアプリ等で閲覧される可能性が高い文書(OLEオブジェクトが正しく描画されない)