3点座標の三角形面積を10秒で解く裏ワザ!共通テスト時短公式の真相

3点座標の三角形面積を10秒で解く裏ワザ!共通テスト時短公式の真相

3点座標の三角形面積を10秒で解く裏ワザ!共通テスト時短公式の真相の要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

「なぜこの単純なたすき掛けで面積が出るのか」という数学的根拠を理解しておくことは、応用問題への適応力を高める上で極めて重要です。ここでは代表的な2つの証明アプローチを整理します。

アプローチ1:高校数学のベクトル成分展開による証明

高校数学B・Cで学習する三角形の面積公式を出発点とします。原点を始点とする2つのベクトル $\vec{OA} = (x_1, y_1)$、$\vec{OB} = (x_2, y_2)$ がなす角を $\theta$ と置くと、面積 $S$ は以下のように表されます。

$$S = \frac{1}{2} |\vec{OA}| |\vec{OB}| \sin\theta = \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{OA}|^2 |\vec{OB}|^2 (1 - \cos^2\theta)}$$

ここで内積の定義 $\vec{OA} \cdot \vec{OB} = |\vec{OA}| |\vec{OB}| \cos\theta$ を代入すると、有名なベクトルの面積公式が得られます。

$$S = \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{OA}|^2 |\vec{OB}|^2 - (\vec{OA} \cdot \vec{OB})^2}$$

この式に各ベクトルの成分 $|\vec{OA}|^2 = x_1^2 + y_1^2$、$|\vec{OB}|^2 = x_2^2 + y_2^2$、$\vec{OA} \cdot \vec{OB} = x_1 x_2 + y_1 y_2$ を代入して根号(ルート)の中身を展開します。

$$\begin{aligned} |\vec{OA}|^2 |\vec{OB}|^2 - (\vec{OA} \cdot \vec{OB})^2 &= (x_1^2 + y_1^2)(x_2^2 + y_2^2) - (x_1 x_2 + y_1 y_2)^2 \\ &= (x_1^2 x_2^2 + x_1^2 y_2^2 + y_1^2 x_2^2 + y_1^2 y_2^2) - (x_1^2 x_2^2 + 2x_1 x_2 y_1 y_2 + y_1^2 y_2^2) \\ &= x_1^2 y_2^2 - 2x_1 y_2 x_2 y_1 + x_2^2 y_1^2 \\ &= (x_1 y_2 - x_2 y_1)^2 \end{aligned}$$

ルートの中身が見事な完全平方式になりました。$\sqrt{A^2} = |A|$ ですから、根号を外すと直ちに目的の公式が導かれます。

$$S = \frac{1}{2} |x_1 y_2 - x_2 y_1|$$

この数式変形は三角形 面積 外積 2次元の本質そのものであり、2つのベクトルが張る平行四辺形の面積(行列式の絶対値 $\det \begin{pmatrix} x_1 & x_2 \\ y_1 & y_2 \end{pmatrix}$)のちょうど半分であることを示しています。

アプローチ2:中学数学の代数幾何(長方形からの減法)による証明

第1象限において点 $A(x_1, y_1)$ と点 $B(x_2, y_2)$(ただし $x_1 > x_2 > 0$, $y_2 > y_1 > 0$ とする)を囲む長方形を考えます。長方形の幅は $x_1$、高さは $y_2$ となり、その全面積は $x_1 y_2$ です。ここから3つの直角三角形を差し引きます。

  • 下側の直角三角形:$\frac{1}{2} x_1 y_1$
  • 左側の直角三角形:$\frac{1}{2} x_2 y_2$
  • 右上の直角三角形:$\frac{1}{2} (x_1 - x_2)(y_2 - y_1)$

これらを引き算して整理すると、完全に一致する式が導かれます。

$$S = x_1 y_2 - \left[ \frac{1}{2}x_1 y_1 + \frac{1}{2}x_2 y_2 + \frac{1}{2}(x_1 y_2 - x_1 y_1 - x_2 y_2 + x_2 y_1) \right] = \frac{1}{2}(x_1 y_2 - x_2 y_1)$$

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。