かつて日本で一世を風靡したPerfumeのような、いわゆる「ケロケロボイス」だけがこの技術の役割ではない。現在のトレンドは、むしろ「かかっていることが分からないほど自然な」超極小の補正だ。人間の耳では知覚できないレベルでピッチの揺らぎを整え、声の存在感を際立たせる。このステルス化された処理こそが、現代のビルボードチャートを支配する洗練されたサウンドの正体である。
一方で、あえて過剰にエフェクトをかけ、金属的な響きや歪みを加えることで、人間の声が持つ生々しさを超越したアートへと昇華させるアプローチも健在だ。アーティストたちは、このツールを楽器として演奏しているのだ。