「アップルパイ」はリスナーのみならず、楽器演奏者やバンドマンからも高い支持を得ています。その理由の一つが、シンプルでありながら感情の機微を巧みに表現したコード進行です。
楽曲のキーはEメジャー。ギターの開放弦の響きを最大限に活かせるキー設定となっており、アコースティックギターの弾き語りでも煌びやかで抜けの良いコード感を演出できます。カポタストを使用せずともレギュラーチューニングで歯切れの良いカッティングが決まりやすく、初心者から中級者まで幅広いプレイヤーの練習曲として親しまれています。
AメロからBメロにかけては、トニック(E)からスムーズに進行しつつ、サビ前でリスナーの胸をキュッと締め付けるセカンダリードミナントやテンションノートが効果的に配置されています。跳ねるシャッフルビートに乗せてこの進行が展開されることで、「笑顔で走りながら泣いている」かのような切迫した疾走感が生まれるのです。歌詞のストーリーテリングとアレンジメントが完璧に同期している点も、本作が色褪せない大きな理由です。