情報が氾濫するWeb空間では、ファミレスの価格やサービスに関して少なからず誤解や古い情報の定着が見受けられます。筆者が関係各所への取材および現場調査で確認した「ネット上の主な誤解」を是正します。
第一の誤解は、「サイゼリヤは一切値上げをしていない」という言説です。2026年最新のファミレス値上げ実態を丹念に追うと、サイゼリヤも無傷ではありません。端数処理による税込価格の一律化(例:299円→300円)にとどまらず、ドレッシングの別添え仕様の変更や、一部デザート類の規格改定、パスタのラインナップ刷新など、消費者に極力痛みを意識させない形での実質的な原価コントロールが随所に施されています。それでもなお、競合他社に比べて値上げ幅が圧倒的に小さいため「値上げしていない」と錯覚されているのが実態です。
第二の誤解は、「どのファミレスもランチタイムに行けば絶対に安くなる」という思い込みです。ガストやバーミヤンの平日日替わりランチは確かに安価ですが、土日祝日にはランチ設定自体が存在しない店舗が大半です。休日に知らずに入店し、グランドメニューからメインディッシュとライス・スープバーのセットを注文した結果、平日のランチ代の倍近い金額になり驚いたという苦情めいた口コミは後を絶ちません。
第三の誤解は、「ドリンクバー単品での長居はお得」という短絡的な計算です。前述の通り、セット注文時と単品注文時でドリンクバーの単価は大きく異なります。店舗によっては単品ドリンクバーに500円前後を支払う設計になっており、ここに300円前後のサイドメニュー(サラダやスープ、フォッカチオなど)を1品追加してセット割を適用させた方が、総額が安くなる、あるいは数十円の差で食事がついてくるという逆転現象が頻繁に発生します。