「大学の休学費用は無料」という言説がネット上で飛び交う背景には、国立大学の原則と私立大学の独自ルールが混同されている実態があります。結論から言えば、国立大学は手続きを行えば原則として休学中の費用は0円ですが、私立大学では一定の費用負担が求められるケースが一般的です。
大学の学費は、単に講義を聴講する対価としての「授業料」だけではなく、大学のシステムや図書施設、学籍データを維持管理するための「在籍基本料」「施設設備費」などで構成されています。国立大学の場合は国の支援規程に基づき、所定の期日までに休学手続きを完了させれば授業料が全額免除されます。学生ポータルや図書館の利用制限などは受けるものの、籍を置くだけであれば費用は発生しません。
対して私立大学は各学校法人の裁量によって学則が定められています。過去には「休学中であっても通常の半額程度の授業料と施設設備費を満額納める必要がある」といった極めて負担の重い大学が散見され、学生運動や学費値上げ反対運動の火種にもなりました。FPオフィス「あしたば」のFPによる試算データやマイナビ学生の窓口の調査報道でも指摘されている通り、2年間休学した場合の在籍料負担だけで20万〜60万円程度に達するケースがあり、学費の支払い総額が大きく膨らむ構造が存在します。
近年では学生の海外挑戦や自主的な活動を後押しするため、学費を全額免除し「在籍料(半期数万円程度)」のみを徴収する方針へ舵を切る私立大学が増えてきました。それでも「完全無料」となる私立大学はごく一部に限られており、数十万円単位の請求が届いて慌てる学生が後を絶ちません。