ribbonの音楽性は、当時としても極めて洗練されていました。1989年12月6日にリリースされたデビューシングル『リトル☆デイト』は、高橋留美子原作の大ヒットテレビアニメ『らんま1/2 熱闘編』のオープニングテーマに起用され、鮮烈な印象を残します。オリコンチャートでも初登場で上位に食い込み、コミカルかつ難度の高いメロディラインを生歌で見事に歌いこなすパフォーマンス力はお茶の間に衝撃を与えました。
その後もribbonは名曲を連発します。代表的な楽曲群を振り返ると、当時の制作陣が彼女たちのボーカルスキルに並々ならぬ信頼を寄せていたことがよく分かります。
- 『あのコによろしく』(1990年):ribbon最大のヒットシングル。オリコン週間ランキング最高位7位を記録し、グループの代表曲としての地位を確立。
- 『そばにいるね』(1990年):切ないメロディと美しいハーモニーが際立つ、ファン投票でも常に上位に選ばれるバラードナンバー。
- 『Virgin Snow』(1990年):後藤次利作曲による哀愁漂うウィンターソング。3人の声質の重なりが最も美しく機能した傑作。
- 『太陽の行方』(1991年):夏の情景をアップテンポかつ洗練されたアレンジで描き、ライブでの熱気を作り出したキラーチューン。
- 『夜明けなんていらない』(1993年):末期のシングルであり、大人のボーカルグループへと脱皮を遂げた完成度の高いアーバンポップ。
特筆すべきは、永作博美の歌唱力です。メインボーカルを務めるパートが多かった永作の声は、ピッチの正確さはもちろんのこと、芯の太さと独特のハスキーな倍音を含んでおり、アイドルポップス特有の軽さを超えたエモーショナルな説得力を持っていました。近年の音楽シーンにおける90年代シティポップの再発掘においても、ribbonのアルバム『LUCKY POINT』や『R633』に収録された楽曲群は、その卓越したアンサンブルとボーカルプロダクションによって国内外のリスナーから高い評価を獲得しています。