ムーンフェイス有名人の激変理由とは?闘病の真相と現在の姿を追う

ムーンフェイス有名人の激変理由とは?闘病の真相と現在の姿を追う

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そもそも、なぜステロイド薬を服用すると、腕や足ではなく「顔」が極端に丸くなってしまうのでしょうか。医学的に「満月様顔貌(まんげつようがんぼう)」と呼ばれるこの症状の背景には、副腎皮質ホルモンが持つ特異的な代謝作用が存在します。

治療で用いられるプレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイドは、強力な抗炎症作用や免疫抑制作用を持つ一方で、体内の脂質代謝を大きく攪乱させます。具体的には、四肢(手足)の脂肪組織を分解する一方で、顔面(特に頬や顎下)、首の後ろ(野牛肩・バッファローハンプ)、体幹部(腹部)に脂肪を優先的に再沈着させる「脂肪の再分布」を引き起こすのです。その結果、手足は細いままなのに顔だけが満月のように真ん丸に膨らみ、お腹周りばかりに脂肪がつくという独特の体型変化(中心性肥満)が生じます。

加えて、ステロイドには腎臓でのナトリウム(塩分)再吸収を促し、水分を体内に溜め込む作用もあります。この「水分貯留(むくみ)」と「異常な脂肪沈着」が同時に進行することが、短期間で顔立ちが劇的に変化してしまう医学的メカニズムです。

ムーンフェイスが引き起こされる主な疾患には、以下のような生命に関わる病気が並びます。

  • 膠原病・自己免疫疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、多発性筋炎など
  • 腎疾患:ネフローゼ症候群、IgA腎症など
  • 血液・呼吸器・難病疾患:重症気管支喘息、サルコイドーシス、悪性リンパ腫の併用化学療法など
  • 内分泌疾患:副腎腫瘍や下垂体異常によるクッシング症候群

これらはいずれも、ステロイドによる治療を行わなければ命や内臓機能が維持できない疾患ばかりです。有名人たちが経験した顔貌変化は、決して贅沢や怠惰によるものではなく、命を繋ぎ止めるための代償であったことが分かります。

山田 真由
著者

山田 真由

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