嵐の音楽的深淵を語る上で欠かせないのが、シングル表題曲の裏に隠された名曲群と、アルバムの中にひっそりと収録されたコンセプチュアルな「神曲」たちです。熱心なコアファンのみならず、耳の肥えた音楽リスナーをも唸らせる7曲を厳選しました。
筆頭に挙げるべきは、2007年のシングル『Happiness』通常盤に収録された『Still...』です。アラフェスなどの歴代ファン投票で幾度となく1位を獲得してきた本作は、別れと新たな旅立ちを描いたミディアムテンポの名曲。櫻井翔が手掛けたリリック「車輪が回り始めたら 旅は始まってしまうから」に代表されるサクラップの叙情性は、旅立ちの季節に涙を誘う珠玉のメッセージとして語り継がれています。
続いて、2009年のシングル『Everything』カップリングの『Season』。日本の四季の移ろいと青春の記憶を繊細なアコースティックギターとストリングスで紡いだバラードで、メンバーのソロパートの美しさが際立ちます。また、2008年のシングル『Beautiful days』収録の『僕が僕のすべて』は、「自分らしく生きること」の尊さをストレートに歌い上げ、就職活動や受験に挑む多くの若者のバイブルとなりました。
アルバム曲においては、2016年の『Are You Happy?』に収録された『Miles away』が外せません。大野智がボーカルディレクションを担当した本作は、複雑に絡み合う5人の多重フェイクとハーモニーが圧倒的なスケールを描き出します。さらに2017年のアルバム『「untitled」』に収録された『Sugar』は、洗練されたアーバンなR&Bトラックとファルセットを多用した大人びたアプローチで、サブスク解禁以降に再評価の波が急速に広がった傑作です。