本作の構成的特徴は、舞台が移り変わるごとに登場する魅力的なバイプレイヤー陣にあります。序盤の舞台となった長崎・五島列島編では、舞の祖母・才津祥子を演じた高畑淳子の圧倒的な存在感が光りました。原因不明の体調不良に悩まされていた幼い舞に対し、「自分のできることを自分で探す」という自立の哲学を授けた祥子の姿は、多くの視聴者の涙を誘いました。
五島列島編では他にも、船大工の木戸豪役を哀川翔、祥子の知人で役場に勤める浦信吾役を鈴木浩介、舞が憧れる若者・山中さくら役を五島列島出身の長濱ねるが演じ、島の息遣いをリアルに立ち上げました。また、本作のナレーションを担当したさだまさしは、五島列島の伝統民芸品「ばらもん凧」の語り手としても随所で登場し、祖母と孫の成長を天から見守るような温かい眼差しで物語を包み込みました。
一転して中盤を牽引した航空学校編は、厳格な訓練環境下での群像劇として描かれました。舞とチームを組むことになる柏木弘明(目黒蓮)は、航空一家に生まれ、プライドが高く他者を拒絶する性格として登場します。しかし、舞との衝突や同期たちとの連帯を通じて、自らの弱さと向き合う青年へと変化していきました。
同期のメンバーには、商社からの転職組でチームの調整役を務めた矢野倫子役に山崎紘菜、妻子持ちで元役所職員の中澤真一役に濱正悟、ムードメーカーの水島祐樹役に佐野弘樹、実家が老舗旅館の吉田大誠役に醍醐虎汰朗がキャスティングされました。彼らを厳しく指導する航空学校帯広校の鬼教官・大河内守を演じた吉川晃司の重厚な演技は、「大河内教官」としてSNSで毎朝トレンド入りする社会現象を生み出しました。