芸能界入り当初、バラエティ番組で「宮澤喜一の孫」として紹介されることに強い葛藤を抱いていた彼女を救ったのは、幼少期からの夢であったミュージカルの舞台でした。演出家・宮本亞門に見出され、2013年にミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』のヒロイン役に抜擢されたことを契機に、宮澤エマのミュージカル経歴は本格化します。
『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』『紳士のための愛と殺人の手引き』『ウェイトレス』といった名作舞台で圧倒的な歌唱力とコメディセンスを披露し、舞台関係者から「チケットを完売させられる本格派」としての評価を確立。そしてその高い表現力が、映像界のトップランナーたちの目に留まることとなります。
決定打となったのが、三谷幸喜脚本の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』における実衣(阿波局)役の好演です。序盤の無邪気でコミカルな妹の姿から、権力闘争の渦に巻き込まれ、冷酷さと孤独を湛えた尼御台へと変貌していくグラデーションを緻密に演じ分け、視聴者と批評家双方から絶賛を浴びました。朝ドラ『おちょやん』の栗子役に続くこの成功により、名バイプレイヤーとしての評価は盤石なものとなりました。