物語の軸となるのは、高校1年生という多感な「16歳(シックスティーン)」を迎えた4人の高校生です。主人公の東息吹(竹内愛紗)は、ショートカットで運動神経抜群、男子よりも頼もしい立ち振る舞いから女子生徒に「王子様」と持て囃される少女。一方、息吹の幼馴染である織田沢めい(武田玲奈)は、かつてのトラウマから重度の男性恐怖症を抱え、息吹だけに心を許す「お姫様」として生きています。
この閉じた2人の世界に波紋を広げるのが、学年一のプレイボーイと噂される浅田直樹(板垣瑞生)と、女性のような可憐な容姿に強いコンプレックスを抱く櫻井直(ゆうたろう)の存在です。浅田は当初、めいを落とすという不純なゲーム感覚で近づきますが、めいを必死で守ろうとする息吹の真っ直ぐで不器用な内面に触れ、次第に本気で惹かれていきます。同時に、直もまた自分を救ってくれた息吹に特別な敬愛と憧れを抱き始めます。
守る側と守られる側、強者と弱者という固定化された役割の裏には、それぞれが抱える家庭環境の歪みや自己否定の感情が潜んでいます。4人が互いの痛みに触れ、傷つけ合いながらも「本当の自分」を模索していく過程こそが、本作最大の駆動力です。