インターネット上の妊娠体験談を読んでいると、「妊娠したときは必ず着床出血があった」かのような印象を受けがちです。しかし、産婦人科関連の臨床データや追跡調査によると、実際に着床出血を経験する妊婦の割合はおよそ8%〜25%程度にとどまります。つまり、妊婦の4人に3人以上は着床出血を経験しないまま妊娠に至っています。
「出血がなかったから今期も妊娠していない」と早合点して落胆する必要はまったくありません。むしろ、出血がないことのほうが母集団としては圧倒的に多数派です。
また、生理予定日前後に出血が起きた場合、着床出血以外の原因が潜んでいるケースも少なくありません。代表的な要因として以下のものが挙げられます。
- ホルモンバランスの乱れ(機能性不正出血):排卵障害や黄体機能の低下に伴い、内膜が中途半端に剥がれ落ちて起こる少量の出血。
- 中間期出血(排卵期出血):排卵時に一時的にエストロゲンが低下することで生じる出血。生理周期が乱れていると時期を誤認しやすい。
- 子宮頸部びらん・子宮頸管ポリープ:性交時の摩擦や軽微な刺激によって子宮の入り口から出血する器質的要因。
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)や初期の切迫流産:受精卵が卵管などに着床した場合や、初期の内膜剥離による出血。激しい腹痛を伴う場合は直ちに医療機関への受診が必要です。