サントリーオールドCmが心揺さぶる理由|名曲と名優たちの現在

サントリーオールドCmが心揺さぶる理由|名曲と名優たちの現在

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サントリーオールドのCMを語る上で欠かせないのが、哀愁とぬくもりが同居するあのメロディです。サントリーオールドのCM曲名として広く親しまれている楽曲の正式タイトルは『夜がくる』(別名:『人間みな兄弟』)。稀代のヒットメーカーである小林亜星が1968年に書き下ろした傑作です。

作詞を担当した開高健や山口瞳ら当時のサントリー宣伝部が生み出した世界観に呼応し、小林亜星は「男が1日の労働を終え、素の自分に戻る時間」をシンプルなスキャットで表現しました。アメリカの歌手サイラス・リーによる深みのある歌声は、高度経済成長期に奔走していた日本人の胸に深く染み渡り、サントリーオールドのCMソングとしてブランドの代名詞となりました。

そして1980年代、この楽曲とともに伝説的な空気を決定づけたのが田中裕子の出演シリーズです。小さな居酒屋のカウンターで、しっとりと艶のある視線を投げかけながら呟く「女房を酔わせてどうするの?」という台詞。過剰な説明を削ぎ落とし、男女の視線の交錯と静けさで魅せる演出は、テレビCMを「15秒・30秒の短編映画」へと昇華させました。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。