「まだだ、まだ終わらんよ」というセリフの初出は、富野由悠季監督が手がけた『機動戦士Ζガンダム』の最終第50話「宇宙を駆ける」(1986年2月22日放映)です。物語のクライマックスであるグリプス戦役の最終決戦において、主人公サイド(エゥーゴ)の主力パイロットを務めていたクワトロ・バジーナ大尉が発した言葉でした。
この場面でクワトロが搭乗していたのは、特徴的な金色のコーティングが施されたモビルスーツ「百式(MSN-00100)」。グリプス2(コロニーレーザー)内部を舞台に、ネオ・ジオンの指導者ハマーン・カーンが駆る「キュベレイ」、そしてティターンズの首領パプテマス・シロッコが操る「ジ・O」という、作中最強クラスの機体・ニュータイプ2名を同時に相手取る三つ巴の死闘が繰り広げられました。
百式は度重なる猛攻を受けて両手足を欠損し、頭部までも破壊されて戦闘継続が絶望的な状態へと追い込まれます。ハマーンから「シャア、私と手を組めば地球圏の覇権など容易いものを」と翻意を促されつつ追い詰められたその瞬間、クワトロは残された推進器とビーム・ライフルを使い、「まだだ、まだ終わらんよ!」と咆哮しながら反撃の引き金を引きました。名声優・池田秀一氏による低音の響きと焦燥感、そして狂気を孕んだ熱演が相まって、ガンダム史に残る屈指の名シーンとして刻まれることになります。