憩室症を放置し、何らかのきっかけで急性転化した際に現れるのが、激しい大腸憩室炎症状です。主なサインは以下の通りです。
- 持続的な下腹部痛:日本人に多い右側結腸(盲腸・上行結腸)の憩室炎では右下腹部に、欧米人に多く日本でも増加傾向にあるS状結腸(左側)の憩室炎では左下腹部に強い自発痛や圧痛が生じます。右側の場合は急性虫垂炎(いわゆる盲腸)と症状が酷似します。
- 発熱・悪寒:炎症反応の上昇に伴い、37度台後半から38度以上の発熱がみられます。
- 腹膜刺激症状:炎症が腸壁を越えて腹膜に及ぶと、お腹を軽く押して急に離した際に激痛が走る「反跳痛(リバウンドペイン)」が出現し、腸穿孔(破裂)の危険信号となります。
一方、強い痛みを伴わないにもかかわらず、突如としてトイレが真っ赤に染まるのが「大腸憩室出血」です。大腸憩室出血原因は、憩室の底部を走行している細い動脈が、機械的な刺激や慢性的な微小炎症、動脈硬化によって破綻することにあります。痛みが全くないまま突然の大量下血(鮮血便または暗赤色便)に見舞われるため、患者が受ける心理的ショックは極めて大きく、血圧低下や貧血による失神を引き起こすリスクも孕んでいます。近年では脳梗塞や心疾患の予防で抗血小板薬・抗凝固薬(血液サラサラの薬)を内服している高齢者の出血例が急増しています。