「このまま地域の伝統と観光の灯を消すわけにはいかない」。絶望的な状況のなか立ち上がったのが、地元有志と関係者による阿弥陀ケ滝流しそうめん営業再開プロジェクトだった。彼らが最初に取り組んだのは、根拠のない安全宣言ではなく、徹底的な科学的検証である。
その壮絶な道のりは、後に岐阜流しそうめん水質検証ドキュメンタリーとして記録され、大きな反響を呼んだ。映像には、連日水質検査キットを手に源流へと足を踏み入れる関係者の姿や、紫外線殺菌装置や高度ろ過システムを導入するために奮闘するエンジニアたちの生々しい記録が収められている。
単に塩素を大量投入するだけでは、清流特有の爽快な風味や自然の趣が損なわれてしまう。味わいを保ちつつ、厚生労働省が定める厳しい水質基準をいかにクリアするか。試行錯誤は数ヶ月に及んだ。