インターネット上のQ&AサイトやSNSで頻繁に見受けられる典型的な誤解の1つに、「太陽は薪や石油のように酸素を使って燃えている」という思い込みがあります。
太陽は炎で燃焼しているのではなく、中心部で水素原子が融合してヘリウムに変わる熱核融合反応によって膨大な光と熱を放っています。酸素を必要としないため、真空の宇宙空間でも輝き続けることが可能です。太陽中心部では毎秒約6億トンの水素が核融合を起こし、毎秒約400万トンの質量が純粋なエネルギーへと変換されています。
気になる「太陽の寿命はあと何年か」という疑問について、天体物理学の標準理論は明確な答えを出しています。太陽の全寿命は約100億年と推定されており、誕生から約46億年が経過した現在は、恒星として最も安定した「主系列星」の中期に位置しています。つまり、太陽の残り寿命は約50億年です。
ただし、50億年後を待たずとも地球環境には変化が訪れます。太陽は核融合の進行に伴って10億年ごとに約10%ずつ明るさと熱量を増しており、約10億〜15億年後には地球の温室効果が暴走して海水が完全に蒸発すると予測されています。最終的に約50億年後、太陽は外層を膨張させて「赤色巨星」となり、現在の地球の軌道付近にまで巨大化して地球を飲み込むか、極めて接近した灼熱の岩石へと変貌させる運命にあります。