渋谷駅での乗り換えで迷う人が続出する背景には、地形と再開発が絡み合った明確な理由が存在します。
第1の理由は、「高低差と階層の錯覚」です。渋谷駅周辺はすり鉢状の谷底地形になっており、JRの地上2階レベルと、道玄坂方面に伸びるマークシティの地上2階は同じ高さでつながっています。しかし、地下3階〜地下5階に位置する東急田園都市線や東京メトロ半蔵門線・副都心線から上がってくる場合、ビル数階分を垂直移動する必要があり、空間把握が難しくなります。
第2の理由は、東京メトロ銀座線との位置関係です。銀座線の渋谷駅は明治通り上空の地上3階へ移設されたため、「銀座線と同じ感覚で井の頭線を探すと見当たらない」という混乱が生じやすくなっています。銀座線から井の頭線へ向かう際は、3階から2階へワンフロア下りて連絡通路を進む動線設計となっています。
第3の理由は、視界を遮る連絡通路のクランク構造です。JR線側の連絡通路からマークシティへ向かう際、巨大壁画「明日の神話」が飾られた広場を経由して直角に曲がる動線となっており、直前まで改札機が視界に入りません。この視界の死角が、利用者の不安を増幅させる要因となっています。