人間は古来より、夜空の異変や普段と異なる色彩を目にした際、そこに超自然的な意味や危険のシグナルを見出そうとする心理的防衛本能(アポフェニア・パターン認識)を備えてきました。中世ヨーロッパにおける「不吉な血の月(ブラッドムーン)」の伝承や、近年のスピリチュアル界隈で語られる「浄化と変革のサイン」といった解釈も、すべては未知の現象に対する人間の感情の投影です。
しかし、現代に生きる私たちが身につけるべきは、不確かな噂やネットの煽り投稿に惑わされず、科学的事実に基づいて自然の美しさを享受するリテラシーです。
今夜の月が赤く見えたなら、不安に駆られて防災リュックを抱え込む必要はありません(もちろん、日頃からの客観的な防災対策は重要ですが、月を理由にする必要はありません)。高度が上がるにつれて赤からオレンジ、そして凛とした黄金色へとグラデーションを描きながら移り変わっていく光のドラマを、ぜひリラックスして観察してみてください。
もし綺麗に写真へ収めたい場合は、スマートフォンの「プロモード」やカメラアプリを立ち上げ、露出(明るさ)を下げてホワイトバランスを「太陽光(約5500K)」に固定することで、肉眼で見たままの鮮やかな赤色をそのまま記録することができます。