インターネット上の不動産掲示板では「富士市は地盤が固い溶岩層だから地震に強く、どこを買っても安全だ」という言説が散見されます。しかし、これは危険な一般化であり、過信は禁物です。
実際の富士市ハザードマップ浸水想定を詳細に検証すると、市内を縦断する一級河川「富士川」や「潤井川(うるいがわ)」の流域、および沿岸部の低地には、想定最大規模の降雨時に3メートルから5メートル以上の浸水が予測されている危険区域が広範に存在します。特に富士川が氾濫した場合のシミュレーションでは、新富士駅周辺の一部平地部も浸水想定区域に含まれており、高潮や津波のリスクと併せて複合的な防災チェックが欠かせません。
一方、市北部の高台エリアは浸水リスクが極めて低いものの、急傾斜地崩壊危険箇所や土砂災害警戒区域(イエローゾーン・レッドゾーン)に指定されている区画が点在しています。富士山の火山灰やスコリアと呼ばれる多孔質の噴出物が堆積した地層は、集中豪雨の際に表層崩壊を起こしやすい脆弱性を秘めています。「海から遠い高台だから安心」と思い込み、擁壁の老朽化や背後の崖の安全確認を怠ることは命に関わる判断ミスにつながります。